On the Road
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若いときにしか読めない本もあるのかも。でも、その「若さ」は人、それぞれ。
この本は私の積読のなかでも古いほうで、学生時代に買ったのではないでしょうか。ページも黄ばんでるし、値札には懐かしい書店の名前が・・・ジャック・ケルアックとニール・キャシディが並んで写った写真に、一目ぼれして買ったように思います。
ほかのペーパーバックと同様、英語力がついていかず、最初の1ページでギブアップして、そのまま10年以上が経ちました。その10数年、私の生活は大きく変わり、スコットランドでのんびりと主婦をしている今、「ヒッピーのバイブル」と呼ばれるOn the Roadを手に取る気になれなかったのです。しかし今年に入って、アメリカ人作家の作品をいくつか読んでいるので、少し抵抗がなくなったのか、読んでみようか・・・と。
ストーリーらしいストーリーはありません。ニューヨークに住む物書きのサル・パラダイスがディーン・モリアーティ、そのほかの連中たちと、アメリカ大陸を放浪する旅をつづったもの。ジャック・ケルアック自身の体験をもとに書かれた半自伝的小説。
「旅すること」自体が目的の旅。目的地は基本的にはどこだっていい。とにかく、動いていたい。苔がつくことを恐れるローリング・ストーンのように、ひたすら、必死に転がり続ける。そんな旅です。だから、どこかに到達したら、今度はニューヨークに向かって、旅をし、ニューヨークに着いて、ある程度、落ち着いて、お金もたまったら、また旅にでる・・・
私の正直な感想は「ついていけない・・・」でした。なんで、そんなに急き立てられるように旅をするんだろう?
おそらく、現実を考えなくてすむから。旅をしているときは、とくに、こういう行き当たりばったりの旅なら、ガソリンのことや、泊まるところ、食べるところ・・ということを考えなくてはいけないけれども、その代わり、将来のことなんて考えなくていい。立ち止まると、巨大な不安などが襲ってくるから、とにかく動いていたい・・・ということだったのかな。
エネルギーをもてあましている若者たちだから、仕方ないのでしょうが、ディーン・モリアーティの破天荒ぶりには辟易させられる部分も。この人、今なら「○○症」といったもっともな診断名がつくのでしょうが、この時代はただmad あるいはcrazyということで、周囲も見限っていくにもかかわらず、ディーンに振り回されながらも、彼の憎めないキャラと強烈な個性に惹かれて、友情を続けていくサル・パラダイスの優しさ(お人好し?)が、この作品の魅力にもなっているかなと思います。
1940年代後半のアメリカが舞台になってますが、古臭さが感じるどころか、ものすごくかっこいいです。こういうハチャメチャが出来た時代だからこそ、かっこよさは不滅のものになりえたのかも。若いときに読んでいたら心酔していただろうな・・・と、今の自分にちょっと寂しさを感じてしまいました。でも、旅行するなら、おいしいもの食べたいし、清潔で、寝心地のいいベッドで寝たい(笑)。
もし「私は60過ぎてるけど、この本はバイブル」という方がいらっしゃったら・・・「永遠の25歳」と呼ばせていただきます(笑)。
- [2008/06/23 16:57]
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Of Mice and Men
| Of Mice and Men (Penguin Great Books of the 20th Century) | |
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The best laid schemes o' mice an' men
Gang aft agley,
An' lea'e us nought but grief an' pain,
For promis'd joy!
(The best laid schemes of mice and men
Go often askew,
And leaves us nothing but grief and pain,
For promised joy!)
ジョン・スタインベックのOf Mice and Menを読むことになったのは、ミクシィの洋書関連のコミュニティで、課題図書になっていたからでした。このコミュニティのおかげで、なかなか手に取ろうとしなかった本や、まったく知らなかった本を読む機会があたえられて、本当に感謝しています。
スタインベックは、映画で「怒りの葡萄」「エデンの東」を見ていましたが、読んだことはありませんでした。このOf Mice and Menも最近映画化されたようですね。でも、この作品と、次にThe Grapes of Wrath(怒りの葡萄)を実際に読んでみたのですが、映画だけではもったいないように思います。スタインベックの文は、本当に、もう、スゴイですから(笑)。
1930年代、世界大恐慌のカリフォルニア州が舞台。小柄なジョージ・ミルトンと大男のレニー・スモールという二人の季節労働者が主人公。レニーは力持ち、しかし知能は子どものまま。その無邪気さゆえに、以前の農場で問題を起こし、ジョージとレニーは逃げる羽目に。そんなレニーにうんざりしながらも、ジョージは辛抱づよく面倒を見てやっています。
いつか自分たちの農場を手に入れることが夢みながら、あちらこちらの農場を渡り歩く日々を送ります。新しく訪れた農場では、すでに働いているほかの労働者たちにも受け入れられて、うまくやっていたのですが・・・
このお話のタイトル、Of Mice and Men(二十日鼠と人間)は、冒頭にあげたスコットランドの詩人、ロバート・バーンズの To a Mouseという詩の一節から取られたものです。「人間とねずみの、どんなに練られた計画も、おじゃんになってしまい、約束された喜びのかわりに、悲しみと苦しみだけが残る」といった意味。100ページちょっとの短い話なのですが、この作品の真髄があらわされたこの「野ねずみ」の詩に、もう一度泣かされてしまいます(そう、一度目は本を読んでいるとき)。
スタインベックは、当時の人々の生活風景を文章として切り取るのが本当に見事ですね。世界恐慌時代の、そしてカリフォルニア州の、季節労働者の生活なんて、この本を読むまでは想像しようもないものでしたが、スタインベックによる描写を読むうちに、とても鮮やかに情景が浮かぶのです。当時の空気がとてもよく伝わってきます。
スタインベック自身、季節労働者として働いたことがあり、そのときの経験をもとに書かれているようです。ですから、リアリティがあるのはもちろんですが、なによりも私が打たれたのは、しいたげられているもの、弱いものへの視線でした。ほどほどの夢をみながら、ささやかな幸せを願いながら、毎日を誠実に生きている人々。でも、そういう人たちが、悲しいことに、何か事がおきたときに、一番弱い立場に立たされる・・・そんな矛盾への、静かだけれども深い憤りが、この作品、そして「怒りの葡萄」に結晶されていったのではないかと感じました。
スタインベックの、淡々とした、しかし力強い文にノックアウトされた私。実は、どちらかというとイギリス(アイルランド)の作家の作品が好みだと思い込んでいたところがあり、これまで読んできた本のリストをみても、その偏りが見られます。でも本当に「すごい本」というのは、そんな思い込みの壁をいとも簡単に崩してしまうものですね。
| ハツカネズミと人間 (新潮文庫) | |
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- [2008/06/18 15:59]
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本関連のポッドキャスト情報
The Kite Runnerの著者、Khaled HosseiniがBBC World Serviceの番組、World Book Clubで、読者からの質問に答えています。
こちらでポッドキャストとして配信されています。
それから ガーディアン紙が主催のブック・フェスティバル Hay Festivaが開かれているのですが、こちらもポッドキャストを配信しています。こちらからどうぞ。Hay Podcst 07では、詩人のMichael Rosen("We're Going on a Bear Hunt")や、Jhumpa Lahiri 、 Will Selfのトークも聴くことができます。
- [2008/06/01 13:03]
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老子 20世紀北米篇
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